2008/07/21

肥満

















 豊かな生活を送っている、「先進国」と呼ばれる世界の人口のわずか11%の人々が抱えている問題の1つが、肥満なのだそうだ。
 そんな先進国の先頭を突っ走るアメリカでは、特に肥満は深刻な社会問題と化しているらしい。BMI、肥満指数によると、なんとアメリカの成人人口の61%が肥満で、これは堂々と世界第1位の記録である。もっとも、アメリカでは肥満は成人に限ったことではなく、子供も5人に1人が肥満とされているのだ。

 ちなみに肥満というのは基本的に、食物によるエネルギーの摂取量が、運動によるエネルギーの消費量を上回って起こる現象だが、これはまた、多くの病気を引き起こす要因にもなっていることが知られている。肥満は、先進国の4大死因である脳卒中、心臓病、糖尿病、ガンのすべての病気の主要な原因となっていて、アメリカは、肥満が引き起こす病気にかかる医療コストを、年間およそ1180億ドルと推定し、警鐘を鳴らしているのだ。

 こういった先進国における肥満の増加は、工業化と都市化が大きく関与していると言われていて、その社会は、より多くの食物を簡単により安く手に入れることができ、しかもそのライフスタイルは、どんどんと身体を動かさない方向へと進んでいるのである。

 このようにして、太りゆく先進国の人々が増加の一途を辿り、そのペットまでもが栄養過多で飼い主と共にダイエット食品に頼り、またアメリカでは毎年何十万人もの人々が過食して体にたまった脂肪を吸引する美容手術を受けている。
 そしてその一方、世界各地では10億人もの人々が飢えに苦しみ、平均して毎日2万人近い子供たちが、栄養不良や飢餓のためにどこかで死んでいる。これが現実なのだ。