2008/07/21

絶滅

















 『旧約聖書』によると、もともと我々人間はみな同じ言葉を話していたらしい。それが何故に違う言葉を話すようになったのかというと、それは人間が天まで届く塔、いわゆるバベルの塔を築き始めたことに神が怒り、人々を四散させ、言葉を混乱させたかららしいが、今、世界で使われている言語の数は、およそ68000語ほどあるらしい。

 だが、少なくともその半数が、今世紀中に絶滅してしまうだろうと言われている。ある推定によると、すでに過去500年の間に4000語から9000語もの言語が絶滅したのだ。
 こういった言語の絶滅には、戦争やジェノサイト、そして植民地化による強制的な言語統制など、いくつかの要因が上げられるが、これから確実に、その最も大きな要因になるだろうと懸念されているのが、なんと言っても文化的同化である。
 それは、テレビを始めとする様々なメディアの発達によって、ますます加速されるだろう。日本でも、あの誇り高き大阪弁ですら、確実に東京弁化しているのである。