近頃「食の尊厳を」などという言葉をよく耳にする。爆発的な経済成長を遂げ、その取り巻く物資の豊かさもさることながら、供給される食物の量も目を見張るほど豊かになり、日常生活の中には食物が溢れ返り、食に対する尊厳が失われたと危機を感じ始めたのだ。そこで、食物を大切にしようというのである。
ようするに、もはや我々に食物をもたらしてくれるのは、太陽の輝きでも、肥沃な大地や豊穣の海でもなく、農夫や漁師たちの汗でも、もちろん神や仏でもない。すなわちそれは、「マネー」なのだ。
そして、そんなスーパーマーケットやコンビニエンスストアでは、マニュアルに定められた時刻になると、まだまだ十分に食べられる食物が、次から次へと大量にゴミ箱へ投げ捨てられている。こんな社会の現実を前にして、いかにして食の尊厳を説くというのか。
そして、そんなスーパーマーケットやコンビニエンスストアでは、マニュアルに定められた時刻になると、まだまだ十分に食べられる食物が、次から次へと大量にゴミ箱へ投げ捨てられている。こんな社会の現実を前にして、いかにして食の尊厳を説くというのか。