根源

 

現在、世界中で問題となっている、プラスチックの環境破壊。

NHKがミレニアムを迎える前に、あなたにとっての20世紀の1番大きな事件は何だったか?というアンケートをとった。NHKが選んだ100項目の中から各自がそれを選ぶのだ。その100項目の中から僕が選んだ20世紀の1番大きな事件は「プラスチックの発明」だった。

もちろん全てとは言わないが、現在のプラスチックによる環境破壊の問題は、僕は消費者の問題ではなく、企業の問題だと思っている。

我々の生活環境の中に氾濫しているプラスチックの大半は、はたして我々消費者が求めていたものなのか?それは企業の業績を上げるため、消費者の購買意欲を高めるために、他社の商品よりもより見栄えよく、内容量もより多く見えるようにという、そういった企業の努力が多くのプラスチック製品を生み出し、プラスチック包装をどんどん過剰させていった。僕はその功罪が大きいと思っている。

そういった問題の根源を正しく見極めないと、このプラスチックによる環境破壊の問題は絶対に解決しない。消費者のゴミの分別だけの問題ではない。

これは、日本のフードロス問題にも言える。「規格外」という、食べるには何の問題もなく、味もまったく変わらないにも関わらず、形や大きさがその規格から外れたものは、店頭に並ぶことなくどんどん廃棄される。

その「規格」っていったい何だ?我々消費者は、はたしてその規格通りの形や大きさのナスやキュウリしか求めていないのか?一昔前、街の八百屋の店先には当然、現在の規格から外れた野菜が並び、消費者は何の疑問もなくそれを買い食べていた。これは昔は人々の文化度が低かったからなのか?

プラスチックと同様、こういった根源を正しく見極めないと、日本のフードロスは絶対に解決しない。


「いったんテレビが置かれると、肌の色、文化、背景がどうであれ、だれもが同じものを欲しがるようになる」

アンソニー・J・F・ライリーはこう指摘している。ちょっと言い方はマズいが、売り手はこうして買い手を飼い慣らし営利を貪ってきたのだ。そしてそれが多くの関係問題の根源となっている。この根源的構造を見直さない限り環境問題は絶対に解決しない。